研究課題/領域番号 |
17253007
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷口 宏充 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (70125251)
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研究分担者 |
成澤 勝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00180539)
長瀬 敏郎 東北大学, 総合学術博物館, 助教授 (10237521)
菅野 均志 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30250731)
宮本 毅 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (90292309)
中川 光弘 北海道大学, 大学院・理学研究所, 教授 (50217684)
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キーワード | 白頭山 / 火山 / 地殻・マントル / マグマ / 10世紀巨大噴火 / 噴火推移 / 国際研究者交流 / 中国:北朝鮮 |
研究概要 |
本年は従来の調査結果に基づき新たな研究方向を具体化させることと、今まで難航していた北朝鮮との共同研究実現に向け行動をとることを主目的とした。 そのため、本年は新たな参加メンバーのためのガイドも兼ねて、既調査地域ではあるが問題を残している中国白頭山の東方沢地域の地質調査を8月4日〜11日にかけ、白頭山噴出物層序の再検討を目的として行った。具体的な調査は次の3点を目的とした。第一には10世紀噴火噴出物についての再調査、第二には東方沢でのパンテレリアイト質軽石とコメンダイト質軽石の層序関係の決定、そして第三には西側山頂部の再調査であった。これらの調査に基づくと、これまでに提案してきた9世紀・10世紀噴火の噴出物層序は、9世紀噴火の否定を含めて、上位から下位にかけて次のように修正された。10世紀ユニットD/(埋没土層)/pre-10世紀火砕流堆積物/pre-10世紀コメンダイト質降下軽石/(埋没土層)/pre-historical火砕流堆積物/pre-historicalパンテレリアイト質降下軽石。これらの層序と年代の測定・推定結果を参考にすると、白頭山では過去4000年以降、約1000年に1度の割合で規模の大きな噴火が発生していることが推定された。 12月19日〜29日にかけては、白頭山周辺での花粉分析用試料の採集と円池においてボーリング試料の採集を行った。目的は10世紀噴火に伴う気候変動の解析と、テフラから見た噴火活動の回数や推移を調査するためである。試料は現在、日本国内に持ち帰り、分析を行っている最中である。 2006年2月16日〜20日には中国長春市において、日朝中3ヶ国の代表があつまり、白頭山の10世紀噴火と、最近の白頭山における地震活動活発化に関する議論がなされた、その結果、‘白頭山10世紀噴火の地質学・岩石学'及び‘現在の白頭山の活動状況'の2点について、3ヶ国で共同研究体制を確立していくことが話し合われた。
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