研究課題/領域番号 |
17253007
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷口 宏充 東北大学, 東北アジア研究センター, 名誉教授 (70125251)
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研究分担者 |
栗谷 豪 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (80397900)
宮本 毅 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (90292309)
長瀬 敏郎 東北大学, 学術資源研究公開センター, 准教授 (10237521)
菅野 均志 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (30250731)
後藤 章夫 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (80312685)
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キーワード | 白頭山 / 蓋馬溶岩台地 / 衛星データー解析 / 赤色立体図 / 岩石化学 / マグマ / 国際情報交換 / 中国:北朝鮮 |
研究概要 |
標記課題のもとにはじめられた本研究は、北朝鮮によるミサイル発射や核実験による渡航制限によって、更に、中朝国境という特殊事情による中国当局の態度変化などによって、途中で現地調査が困難になった。そのため、当初の研究項目などを主として国内でも実施可能なことがらに変更した。すなわち衛星データーにもとづく地殻変動・地質解析、すでに採集した試料の化学分析や年代測定、白頭山10世紀噴火に関連した国内における火山堆積物の調査、そして日中朝3ヶ国による論文集の刊行を目指した。 ENVISATなどの合成開口レーダーを用いた1990年代から2005年にかけての白頭山の地殻変動解析にもとづけば、2002~2003年ごろに地下でマグマから分離した熱水溶液が上昇し、その後、2005年ころまでにマグマが地下5kmくらいまでに上昇していたことが推定された。すなわち近年の地震活動の頻発が、地下におけるマグマ活動の活発化によって引き起こされていることを明らかにした。Space ShuttleおよびASTERによる数値地図をもとにした赤色立体図の作成と検討によって、白頭山を中心として広がる蓋馬溶岩台地が、約13000km^2の広大な面積を有し、その分布範囲とその台地のなかに7体の大成層火山体と無数の小規模単性火山がある諸事実を初めて明らかにした。このような広大な火山区域の分布形成は、プレート沈み込みによるNNE走向の圧縮応力とそれに直交する引っ張り応力によって説明された。更に、採集してきた岩石の地球化学分析により、この地域におけるマグマ生成のモデル化と、十和田平安噴火の年代を14Cウィグルマッチングにより正確にきめることを試みた。後者は東北地方において、白頭山噴火と十和田平安噴火とが地質学的に密接していることから重視している。これらの研究成果は朝鮮からの2編を含めた12編の論文集として刊行が進められている。
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