研究課題/領域番号 |
17254004
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研究機関 | ものつくり大学 |
研究代表者 |
白井 裕泰 ものつくり大学, 技能工芸学部, 教授 (40258926)
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研究分担者 |
田中 文男 創造学園, 芸術学部, 特任教授 (30406326)
那須 武秀 ものつくり大学, 技能工芸学部, 講師 (80337683)
小野 泰 ものつくり大学, 技能工芸学部, 講師 (80364884)
坂本 功 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011212)
藤田 香織 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (20322349)
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キーワード | ヴェトナム・フエ / 阮朝王宮建築 / 隆徳殿 / 修復計画 / 模型実験 / 実大実験 / 細部意匠調査 / 肇廟調査 |
研究概要 |
1、東京大学坂本研究室によって隆徳殿1/1の接合部模型を使って強度実験が行われた。2、水平力による柱の変位については、隆徳殿の身舎柱の高さ3,700mm位置に鋼管5本を水平に架けて加力点とし、反力点として屋外に設置した2tトラックと加力点の鋼管をワイヤーベルトスリングで連結し、ハンドプーラーによる水平加力を加えた。試験の結果、東西方向は最大加力9.45KNに対してD4柱柱が変位3.02mm、変位角1/1,423rad.であり、南北方向は最大加力10.75KNに対してC4柱の変位4.08mm、変位角1/1,014rad.であった。3、鉛直荷重による柱の変位については、棟木から架台をワイヤーベルトスリングによって、1点および2点で吊り下げ、架台に泥嚢を載荷した。計測の結果は屋根瓦の鉛直荷重による軸部への構造的影響は極めて少ないことを示している。4、剛性の評価については、隆徳殿の常時微動測定の結果、桁行3.41HZ、梁行3.49HZであり修復を終えた隆徳殿と同規模・同形式である土公祀より構造的に柔らかいといえる。5、肇廟の平面および柱内転びに関する実測調査については、前殿の身舎柱内転びが柱全長に対して77mm、正殿身舎柱内転びが83mm、正殿前庇柱内転びが73mmであったと考えられる。また平面計画は、越尺(1尺=424mm)で、桁行が中間9尺、第1脇間8.3尺、第2脇間6.9尺、端間6.2尺、梁行が正殿中間9尺、脇間6.9尺、端間6.2尺、前殿中間8.65尺、脇間6.2尺と推定される。6、肇廟の細部意匠に関する調査については、隆徳殿および肇廟のケオ木鼻の絵様が「両渦文」タイプに分類され、フエ王宮内建築に多く使用された絵様タイプと考えられた。7、国登録文化財白井家住宅の構造調査については、大黒柱に最大加力20.06KNの水平力を加えた結果、大黒柱は敷居からの高さ1,800mm位置で水平方向に90mm変位した。8、隆徳殿修復のための仮設計画すなわち仮設図(平・立・断面)および仕様をまとめた。
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