研究課題
基盤研究(A)
インド・ミゾラム州を中心とする地域に自生する竹であるムーリー(Melocanna baccifera)の48年周期での開花を予想し、開花前からの竹林の生態的動態の把握を試みた。竹類は開花を予測することが困難であることから、開花前からの動態を把握することが最大の研究目的となった。調査地を設定したのは、ミゾラム州内のサイランとマミットである。調査の結果、調査地においては予想どおり、2006-2007年に対象種の開花が認められ、開花前の竹林動態や調査地におけるクローンマップを作成することができた。調査地では、一斉開花の前年と後年にも、一部の稈で小規模な開花が認められたが、これらの開花はクローンの系統とはまったく無関係に発現していた。また、開花・結実の全過程を詳細に把握することができた。これらの情報は、開花を捉えることが困難とされてきた竹類の調査データとしては世界で初めての詳細なものである。また、開花結実後の実生回復過程の初期段階も追跡することができた。一方、それらが周辺生態系に与える影響として、ネズミの個体群動態の把握を試みたほか、広域の開花状況の推移、地元の基幹的な農業形態である焼畑農業との関係なども把握することができた。広域の開花状況によって、自生地すべてにおいて開花が同時に起こるのではなく、大面積にわたる一斉開花が2005-2006年に起こる地域が東側にある一方、2007-2008年に起こる地域も西側にあることが確認され、大面積開花地は東から西に向かって大きく移動していくことが推定された。
すべて 2009 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (18件)
京都大学農学部卒業論文
Proc. Intl. Conf. Improvement of Bamboo Productivity and Marketing for Sustainable Livelihood
ページ: 155-163
Graduation Thesis, Faculty of Agriculture, Kyoto University
Bamboo Journal 第24号
ページ: 12-16
Bamboo Journal 24