研究課題/領域番号 |
17255008
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
長野 敏英 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (10012006)
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研究分担者 |
石田 朋靖 宇都宮大学, 農学部, 教授 (00159740)
鈴木 邦雄 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (30018048)
吉野 邦彦 筑波大学, 社会工学系都市計画専攻, 助教授 (60182804)
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境センター, 教授 (80211895)
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 教授 (10253949)
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キーワード | 熱帯泥炭土壌 / 炭素収支 / CO_2・CH_4フラックス / 土壌呼吸量 / 造林 / Melaleuca cajuputi / 土壌呼吸と土壌含水率 / 土壌呼吸の日変化 |
研究概要 |
(1)タイ国ナコンシタマラート県の排水されている泥炭湿地荒廃地(クアンクレン地区)に2ブロックの試験圃場を造成した。植栽した環境造林候補樹種Melaleuca cajuputiの生残と成長を測定し、補植を行った。初期の植栽木の植栽15ヵ月後の生残率は湛水区で13%、対照区で70%だった。生残個体の平均樹高成長量は湛水区で9cm、対照区で52cmだった。 (2)チャウアット地区のMelaleuca cajuputi人工林の細根のバイオマスと純生産量の測定を行った。予備的なデータではあるが、3プロットの平均バイオマスは0.6MgC ha^<-1>で、平均純生産量は0.5MgC ha^<-1>y^<-1>であった。 (3)Melaleuca cajuputiとEucalyptus camaldulensisについて、低酸素ストレス下の根の嫌気呼吸における光合成産物の消費に関する実験をおこなった。両樹種の根で低酸素ストレスにより発酵系酵素の活性が誘導された。しかし、Eucalyptus camaldulensisでは根のCO_2放出速度に低酸素ストレスによる変化が認められず、嫌気呼吸による光合成産物の消費が実際には増加しないことが示された。湛水耐性種のMelaleuca cajuputiの根ではCO_2放出速度が高まったことから、低酸素ストレス下で嫌気呼吸による光合成産物の消費が増加することが明らかになった。 (4)泥炭土壌呼の吸量の測定を行った.土壌水分量によって土壌呼吸量は大きく影響されるが、日変化の測定の結果土壌呼吸量においても日変化が見られ、恒温室を用いて、温度依存特性の実験を行った。 (5)Wetland-DNDCモデルを用いて、泥炭湿地域での、湛水・農地状態での二酸化炭素ガスおよびメタンフラックス量についての検討を行った。 (6)Melaleuca cajuputiの幹部・葉の呼吸速度測定を行い、樹皮9.4、葉17.ltC/ha/yであった。
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