研究分担者 |
伊藤 直人 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20334922)
柵木 利昭 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70014115)
淺野 玄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)
坪田 敏男 北海道大学, 獣医学部, 教授 (10207441)
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
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研究概要 |
近年,SARSやトリインフルエンザなどの新たな感染症が次々と発生し,社会をパニックに陥れている.これらの病原体の自然界における本来の住処は不明なことが多いが,各種野生動物の関与が示唆されている.したがって,環境破壊によるそれらの動物の生息分布域の変化が新たな感染症の出現の主な原因と考えられている. そこで,本課題では,各種動物が多数棲息し,毎年新たな感染症が突然出現しているアフリカの野生動物における種々の人獣共通病原体の保有状況を調べ,それと環境変化との因果関係を推定ることにより,新たな感染症の出現動向を予知すると共にその予防に役立てることを目的とした.また,これまでに東南アジアで行ってきた狂犬病に関する海外調査をアフリカ地域に拡大し,狂犬病ウイルスの世界規模の感染動態を検討した. 1年次である2005年はザンビア共和国およびエジプトを対象国とし,検体収集ならびに現地協力機関との連携確認ならびに今後の協力体制を構築した.2年次である2006年はザンビア共和国,マラウイ共和国およびエジプトを対象国とし,前年に引き続き検体収集を行った.また,現地協力者の研究支援を行った.最終年度となった2007年はザンビア共和国およびエジプトに加え,タンザニア共和国を訪問し,検体収集ならびに現地協力者の研究支援および今後の研究連携の確認を行った.一連の研究により,アフリカにおける狂犬病ウイルスの生態を明らかにすることができた.また,潜在的な感染症の動向も明らかにすることができた.この研究課題の最も大きな成果は,ザンビア大学,ソコイネ農業大学,KafrEl-Sheikh大学,アレキサンドリア大学,ベンハー大学の研究者と連携協力を結ぶことができたことである.今後はこの連携協力をさらに発展させ,新興感染症をはじめ,多種多様な感染症の動向を的確に捉え,対応できる研究体制を確立し,維持する事が必要である.
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