研究課題
北アフリカ乾燥地を対象とし、生物資源・遺伝子資源についての情報収集および機能解析を行った。北アフリカ乾燥地に生息する有用生物資源の情報収集を行うため、チュニジア・モロッコ・リビアの伝統医学薬草生理活性物質の抽出および分析状況などについて情報提供及び研究協力などについて打ち合わせを行い、チュニジア科学技術省との協定の下、伝統医学関連薬草をはじめとする食用植物リストおよびその抽出物の入手を行った。また、モロッコ・リビアからは薬用植物文献を入手し、データベース化に着手した。チュニジア原産オリーブ種やアロマ植物について生理活性の探索を行い、抗腫瘍活性・抗アレルギー活性・メラニン産生抑制作用等を見いだし、活性について確認している。また、5ヶ所の土壌サンプルより、Rhizobium属6種を単離した。高塩条件下で培養したところ、このうち2株は4%NaCl存在下でも標準株と比べて同程度の生育を示した。この2株の菌体たんぱく質を2次元電気泳動により展開し、解析したところ、約20個のスポットに発現量の相違が検出された。スポットをゲルより切り出し、本年度購入した遠心濃縮機を使って処理し、質量分析で同定を行った。解析した20個のうち、3個がこの高塩耐性に関与している可能性が示唆され、その確認を行っている。さらに、北アフリカ由来有用生物資源としての植物生育環境および水・土壌環境の調査技術の確立のための詳細な条件検討を行った。
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