研究課題/領域番号 |
17256002
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 亮 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70054020)
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研究分担者 |
山崎 浩 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (00138207)
中尾 稔 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70155670)
迫 康仁 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40312459)
中谷 和宏 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (70109388)
岡本 宗裕 鳥取大学, 農学部, 助教授 (70177096)
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キーワード | エキノコックス条虫 / テニア条虫 / ミトコンドリアDNA / 分子分類学 / 分子共進化 / アジア |
研究概要 |
中国におけるエキノコックス条虫3種類ならびにテニア条虫3種類、タイにおけるテニア条虫3種類、インドネシアにおけるテニア条虫3種類を流行地での調査を通して遺伝子解析によって確認することができた。特記すべき研究成果は(1)中国四川省で3種類のテニア条虫が同所的に分布している地域が確認された(Li T et al. 2006. Acta Tropica 100)。(2)タイにおいても3種類のテニア条虫が同所的に分布している地域が確認された。さらに重複感染例があり、これまで有鉤条虫と無鉤条虫の重複感染と考えられていたものが、有鉤条虫とアジア条虫であり、豚肉と内臓を食して感染したと推定された(Anantophruti MT et al. Emerging Infectious Diseases in press)。(3)インドネシア、バリ島における無鉤条虫症の流行とヒンズー教徒である地元住民の食習慣の変遷との関連が疫学調査から明らかになった(Wandra T et al. Trans R Soc Trop Med Hyg 100)。(4)全世界に分布しているエキノコックス属条虫5種類を用い、遺伝子解析が進展し、ミトコンドリア遺伝子解析に基づくエキノコックス属条虫の再分類論文がまとまった(Nakao M et al. Parasitology in press)。(5)北半球に分布している多包条虫の遺伝子多型については内モンゴルとアラスカの中間地帯におけるサンプル入手が課題である。(6)中国チベット高原のチベットギツネから得られたエキノコックス条虫を新種Echinococcus shiquicus記載したが、この新種の分布域が四川省のみならず青海省からも確認された。(7)モンゴルにおけるテニア条虫はすべて無鉤条虫であり、有鉤条虫、アジア条虫は確認されなかった。これは豚肉消費が少ないモンゴルの寄生虫病の実態を反映するものと考えられた(Narankhajid M et al. Am J Trop Med Hyg, submitted)。
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