研究課題
1、エキノコックス属条虫:全世界から報告されていた4種類ならびに我々が新種として記載したE. shiquicusのミトコンドリア遺伝子解析を試み、これまで1種類とみなされていた単包条虫E. granulosus)を4種類に再分類するのが妥当であるという結論に達した(Nakao et al. 2007 Parasitology 134)。その後、これまで未解明であったアフリカのライオン寄生の単包条虫についても解析の機会が得られ、これも独立種とすべきであるという結論に達し(Huttner et al. 2008 Int J Parasitol 38)、いわゆる単包条虫は5種類に再分類された。ライオン寄生のE. felidis以外の、いわゆる単包条虫4種はすべてイヌ科動物を終宿主とすること、人への病原性が最もよく知られている単包条虫(E. granulosus sensu strict)に遺伝子レベルで最も近縁で姉妹種と結論されたE. felidisだけがネコ科動物を終宿主とすることが判明した。中間宿主体内(肝臓)での病態に関しては多包性の多包条虫(E. multilocularis)と姉妹種として記載された新種E. shiquicusが単包性であり、宿主転換(終宿主動物がイヌ科動物カネコ科動物か?)と人を含む中間宿主肝臓における包虫の病態の多様性(単包性か多包性か?)について重要な解析の糸口が得られた。2、テニア属条虫:アジアに分布しているアジア条虫(Taenia asiatica)と全世界的分布を占める無鉤条虫(T. saginata)が同所的に分布している地域が発見され、雑種形成の可能性を示唆する個体が入手できた。3、以上の成果から今後、人体寄生テニア科条虫の種分化、病原性分化、分子進化への新たな取り組みが期待できる段階に到達した。
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