研究課題/領域番号 |
17256005
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
丸井 英二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30111545)
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研究分担者 |
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
宮平 靖 順天堂大学, 医学部, 講師 (40265781)
高橋 謙造 順天堂大学, 医学部, 助手 (00365628)
高木 廣文 東邦大学, 医学部, 教授 (80150655)
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キーワード | 住民コホート / 出生コホート / 出生記録 / 結核 / 家族内発症 |
研究概要 |
タイ国チェンライ県メチャン郡における地域住民コホートデータベースにおいて、結核,出生情報等に関する分析を平成18年度申請書の計画に沿い、以下のように進めた。 (1)RFLP分析:本年度継続してRFLP検査を行い、これまで検査が完了した計172例に対しRFLPパターン解析を実施した。さらに2002年から2004年の塗抹陽性結核の内150症例で患者データと組み合せ分子疫学的検討を実施した。バンド数6以上の103例中22例例(21%)がクラスターしていると判断された。クラスター率は若年層で高い傾向があった。昼間所在地が郡内と考えられる職業が、それ以外に比し高い傾向があり(26%vs17%)、他地域住民との結核伝播も考慮する必要性が示唆された。またBeijing株と判断される例が、過去の全国薬剤耐性調査分離株に比し高いことが示唆され(40.7%vs20.8%)、本地域はBeijing株が多い中国等と地理的に近く国境を介した伝播の可能性も示唆される。以上の結果を論文2編にまとめ投稿準備中である。 (2)症例対照研究:メチャン郡病院にて症例対照研究を継続した。血液データ採取に関しては、2005年10月12日に提出したプロトコールの倫理委員会での承認が2006年5月22日に得られたので、進めており、現在結核患者500名については既に得られた。コントロール群については、協力研究機関のタイNIHが保管する国家新生児スクリーニングのガスリー法によって得られた検体のDNAバンクが得られるので、それを第一義的に活用して、タイNIHがゲノム分析を進めている。タイNIHとしては、日本の理化学研究所との共同研究のフレームを活用する予定で進めている。 (3)徐々に統合されて来た統合データベースに関し、結核研究所チェンライオフィスにて、データ齟齬要因分析を継続する。今年度は、特に死亡データーベースに着目し、分析中である。 (4)メチャン郡保健所より得られた出生届の入力を継続していく。また、2002-2003年データは入力が完了したため、これらのデータを用いて出生体重分布等の産科データ,小児保健データの基本解析を実施中である。
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