研究課題/領域番号 |
17256005
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
丸井 英二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30111545)
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研究分担者 |
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
高木 廣文 東邦大学, 医学部, 教授 (80150655)
馬場 征一 順天堂大学, 医学部, 助教 (20453574)
野村 真利香 順天堂大学, 医学部, 助教 (30453575)
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キーワード | 住民コホート / HIV感染と低出生体重児 / 死亡コホート / 出生コホート / 出生登録 |
研究概要 |
本年度は、昨年度まで結核研究所チェンライオフィスにて試みてきた地域住民統合コホートデータベースの分析を中心に研究を進めた。このデータベースは約15万人の地域情報、メチャン病院データ、その他の検査情報から構成される。詳細を以下に示す。(1)チェンライ県では毎年ほぼ1万件の死亡が発生する。1997年以降の入力データのクリーニングを行ない、完了した年次の死亡データベースについて順次分析をおこなっている。本データはチェンライ県全死亡を網羅する膨大なものであるため、ICD-10に沿って死因を分類し、集計した。本結果については、研究協力者の松井が日本公衆衛生学会で発表した。(2)入力が完了した全出生データ(2001年〜2006年)に関し、データクリーニング後、出生体重に注目して基本分析をおこない、低出生体重結果を日本国際保健医療学会で発表した。また本結果を踏まえ、タイにおける出生登録システムに関する調査を始めた。平成20年度も継続しておこなう予定である。(3)1997年から2002年までのデータベースを統合したうえで、メチャン病院における低出生体重児の発現について、HIV陽性の母親(266名)とHIV陰性の母親(5872名)とを比較する症例対照研究をおこなった。母親のHIV陽性は低出生体重の有意な要因であった。北タイには山岳民族が多いが、民族による差は認められなかった。(4)このデータベースから抽出された患者家族を対象とした、RFLPによる結核に関する分子疫学研究は現在、マヒドン大学で解析中である。 この統合データベースにより、これまで進めてきた地域一般人口における結核、エイズ等の発症率や危険因子の追跡に加えて、地域一般人口の出生、死亡が、疫学データとして得られるようになった。今後はチェンライ県メチャン郡にサイトを絞り、出生届の入力を継続していくとともに、調査票による産科データ、小児保健データの収集・分析を中心としていく予定である。
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