研究課題
研究メンバの今井と森山は18年度に引き続きそれぞれの担当分野、すなわち研究代表者の今井は量子情報幾何空間での計算幾何と量子非局所性解析のための組合せ論を、研究分担者の森山は量子組合せ論の構築の研究を推し進めた。代表者である今井は同時に研究統括として、分担して行った作業を関連付け、全体の研究を総括することも行った。具体的には、計算幾何担当の今井は量子計算幾何手法を最適化技法と融合させることを行った。量子情報幾何空間での量子ダイバージェンスその他の距離に関する離散的近接関係を明らかにし、それを計算の観点から、量子通信路容量計算への適用を行った。量子状態と量子測定それぞれに関する一連の最適化を、組合せ幾何構造を活用しながら、実際に解くことに重点をおいて研究を進めた。特に、量子非局所性と組合せ論でのグラフの最大カットおよびその凸多面体論・半定値計画緩和との関係解明も推し進め、これによって量子情報でのBel1不等式の理論の新展開を図ることができた。量子組合せ論研究を担当する森山は、これまでの成果を踏まえて、対話証明モデルの量子版について、多証明者の場合で事前に量子もつれが許されるケースについて検討を進めるとともに、ここでも理論計算機科学の先端テーマの2証明者1ラウンドゲームと近似アルゴリズム解析との関係を見出し、量子非局所のモデルと近似アルゴリズム解析の間の新たな橋渡しを行い、量子情報特有の効果を定量的に解析する土台を築いた。これらの成果をもとに現実的な情報処理システムの確立を検討した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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