研究概要 |
今まで軽視されてきたソフトウェア開発プロセス中に現れる揮発性情報を,一般の成果物と一体化して自然に統合管理するための技術を開発した.ここで,揮発性情報とは,ソフトウェア開発プロセスで用いられる,個人の覚書,設計検討時のスケッチ,変更連絡など,仕様書や設計文書に代表される公式文書以外の私的で一時的かつ量が少ない文書のことを言う.本研究では、(i)対象物を直接的に指示できるというXML付箋の特徴を活かして揮発性情報を成果物と統合管理する機能と,(ii)RSSによって表された変更情報のメタデータを速やかに伝達する機能,を備える統合管理システムを実現を実現した. 平成19年度は本プロジェクトの最終年度であり、今までの成果の統合を図り、プロトタイプを用いて、プログラミング教育やレビューに適用し、ユーザビリティなどを改善した。また、実用的に十分なスケーラビリティを備えることを確認した。 プログラミング教育において、サンプルプログラムを用意してその解説を行い,次に小規模の変更を課題として行なう方法が広く用いられている.本システムを用いてサンプルプログラムを公開すると同時に,XML付箋を用いて解説を用意する場合,XML付箋を用いて対象箇所に直接的に解説を付けることが可能なため,教材を効率的に用意することが可能であることを確認した.また、本システムはWebアプリケーションとして実現されているため、Webアプリケーションのカバレッジを提案した。
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