研究課題
独立分散管理として、例えば、Internetにおいて、多数の独立なプロバイダが、自己の顧客のパケットのみの性能向上を追究し経路選択する状況が考えられ、GRID等の分散システムにおいて、各ユーザが、自己の計算の処理コスト(応答時間)を追究し負荷分散する状況が考えられる。一般に、独立分散管理することにより、システム全体の利用効率が向上し、全ての個人・企業体・組織体に効用がもたらされると信じられている。しかし、独立分散管理の下で、新たな装置を増強すると、かえって、全てのユーザに対する応答性が悪化する逆説的な現象の存在が指摘されている。このような現象を、パラドックスと呼ぶ。本研究では、独立分散管理における、パラドックスの発生条件、および、その被害がどの程度になり得るかについて、明らかにし、その防止策、および、パラドックスの起こらない集中型管理方式のFairness、等に関する見通しを得つつある。経路選択、負荷分散、フロー制御を含む広範囲の問題に視点を置いて研究成果を得つつある。今年度は、特に、情報ネットワークや、分散システムについて、理論的な追究と数値的な検討・シミュレーション実験を行った。まず、パラドックスがいかなる状況で起こるかを、より詳細に究極めることを行った。以下のような問題に対しある程度の成果を得ている。1.パラドックスの大きさの程度を計る指標を検討した。2.その指標に基づき、パラドックスがどのような場合に大きくなるかを、追究した。3.かなりネットワークのフロー制御に関して、独立分散管理の不都合さが存在することを示した。4.独立分散管理による、各ユーザ間の公平さを実現しながら、パラドックスの害をもたらさない、新しい管理方式の発見を試みた。関連研究を行っている研究者達の研究を調査し、国際会議などに出席し発表することによって、交流をはかった。
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