研究課題
本研究では、組込みソフトウェアの設計記述とハードウェア(LSI)の設計記述の両者を、協調して、高速にシミュレーションを行う技術と、そのソフトウェア(いわゆるHW/SWコシミュレータ、あるいは単にコシミュレータ)を開発している。シングルプロセッサ・システムだけではなく、最近組込み用途においても主流となりつりあるマルチプロセッサ・システムをも対象としている。最終年度にあたる今年度は、以下の研究成果を挙げた。1.マノレチプロセッサ型組込みシステみに対する拡張を行った。具体的には以下の2つの技術を開発した。(ア)複数のRTOSシミュレータ(マスタ)と1っ以上のハードウェア・シミュレータ(スレーブ)との間で柔軟に通信を行う技術(イ)複数のRTOSシミュレータ間で割込みを送受信する技術2.マルチコア型ホスト計算機上での高速シミュレーション技術の開発を行った。昨年度までのコシミュレータは、ハードウェア/RTOSシミュレータ間の通信にCOMと呼ばれるRPCを利用していた。COMは柔軟な通信方式であるが、通信のオーバーヘッドが大きい。そこで、パードウェア/RTOSシミュレータ間の通信を高速化する技術を開発した。ホスト計算機上に複数のシミュレータからアクセス可能な共有メモリの領域を確保し、各シミュレータはその共有メモリに対してリードまたはライトを行う。これにより、COMを呼び出す回数が削減され、シミュレーション速度が向上する。3.実アプリケーションを用いた評価本基盤研究により開発したHW/SWコシミュレータの評価を、実アプリケーションを用いて行った。アプリケーションとして、MPEGエンコーダ/デコーダを用いた。マルチコア型ホスト計算機上で、2つのRTOSシミュレータ、1つのHDLシミュレータ、1つのCモデルを動作させ、高速に動作することを確認した。
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Proceedings of International Conference on Embedded Software and Systems (採録決定)
DAシンポジウム2006論文集 2006・7
ページ: 127-132