研究課題
基盤研究(B)
本研究では、組込みソフトウェアの設計記述とハードウェア(LSI)の設計記述の両者を、協調して、高速にシミュレーションを行う技術と、そのソフトウェア(いわゆるHW/SWコシミュレータ、あるいは単にコシミュレータ)を開発した。平成17年度と18年度の2年問で、以下の研究成果を挙げた。1.マルチプロセッサ型組込みシステムに対するコシミュレーション技術を開発した。具体的には以下の2つの技術を開発した。(1)複数のRTOSシミュレータ(マスタ)と1つ以上のハードウェア・シミュレータ(スレーブ)との間で柔軟に通信を行う技術(2)複数のRTOSシミュレータ間で割込みを送受信する技術2.ハードウェア/ソフトウェア間の同期機構を開発した。バードウェア・シミュレータからRTOSシミュレータに対して定期的にタイマ割込みを発生させ、それを元にRTOSシミュレータが時間を管理するようにした。3.マルチコア型ホスト計算機上での高速シミュレーション技術の開発を行った。シミュレータ間で通信を行う際に、RPCだけでなく、ホスト計算機上の共有メモリを用いることで高速化を実現した。4.次世代のハードウェア設計・検証言語として普及が進んでいるSystemC言語とのコシミュレーション技術を構築した。5.開発したシミュレータを用いて効率的に組込みシステムの設計と検証を行うメソドロジを確立した。6.本基盤研究により開発しHW/SWコシミュレータの評価を、実アプリケーションを用いて行った。アプリケーションとして、MPEGエンコーダ/デコーダを用いた。マルチコア型ホスト計算機上で、2つのRTOSシミュレータ、1つのHDLシミュレータ、1つのCモデルを動作させ、高速に動作することを確認した。
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