研究課題/領域番号 |
17300020
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中野 浩嗣 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30281075)
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研究分担者 |
角川 裕次 大阪大学, 大学院・情報学研究科, 助教授 (80253110)
藤田 聡 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40228995)
伊藤 靖朗 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40397964)
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キーワード | 無線ネットワーク / 指向性アンテナ / 分散アルゴリズム |
研究概要 |
現在、無線LANなどのほとんどの無線通信で用いられるのは、無指向性アンテナを用いた無指向性通信である。無指向性通信では、あらゆる方向に円状に電波を送出するので、多くの電力を消費し、また、意図しない端末にも電波を送信することになる。このことにより、電波の干渉が発生しやすくなり、通信のスループットが低下する。一方、指向性アンテナを用いた場合、電波の送出を特定の方向に集中するので、同じ消費電力で、より遠くの端末と通信を行うことができる。言い換えれば、より少ない消費電力で、同じ距離の端末と通信することができる。さらに、意図しない端末に電波を送信する可能性が低くなるので、電波の干渉を避けることができる。今年度では、まず、指向性通信の能力を実証するために、シミュレータを作成し、シミュレーションを行った。具体的には、指向性通信の場合と無指向性通信の場合について、ルーティングプロトコルを設計し、無線ネットワークシミュレータにより、通信性能を評価した。シミュレーションの結果、指向性アンテナを用いることにより、通信能力が向上することを示した。また、消費電力に着目し、バッテリーの電力低下を避けるよう、電波出力が小さくても動作するプロトコルの設計を試みた。さらには、小規模なアドホックネットワークを、無線LANを用いて構築し、実機による性能評価も試みた。具体的には、ノートPCを複数台用いて、マルチホップ通信の簡易プロトコルを設計し、動作実験を行った。現在は動作確認を行っている段階であるが、次年度以降に、詳細な性能評価を行う計画である。
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