研究概要 |
アドホックネットワークは、基地局をもたない無線ネットワークであり、各携帯端末は無線により直接通信を行なう。離れていて直接通信が行なえない場合は、他の携帯端末を中継として用いるマルチホップ通信により,遠距離の通信を実現する。アドホックネットワークは,震災などで基地局が破壊された状況や,基地局のない僻地で臨時的な通信サービスを提供することを想定したネットワークである。実用化はまだされていないが、救助活動時などにおける情報伝達を実現するものとして注目されている。本研究の目的は、アドホックネットワークの実用化である。アドホックは基本的に善意を前提とした無線通信ネットワークであり、他の携帯端末を信頼して、不正を行わないことを前提としている。ところが、通信プロトコルを変更することにより、通信チャネルを強制的に使用することが可能になってしまう。本来は、通信チャネルは各端末が公平に使うようにプロトコル設計が行われているが、悪意のある端末はこれを変更して、独占してしまうことが可能となる。これはアドホックネットワークの実用化において、重大な問題なので、端末が悪意を持って通信チャネルを取り合う状況を排除する方法を考案し、実験により有効性の評価を行った。さらに、アドホックネットワークやセンサーネットワークでのルーティングプロトコルやスケジューリングアルゴリズム,P2P向け通信システム、自己安定アルゴリズムなどの開発を行い理論的な評価を行った.
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