研究課題
本年度は、昨年度実施した本分野でのサーベイ、ヘルパースレッド生成に関するアルゴリズムの検討、さらには、実アプリケーションを想定したアプリケーション側からの検討を元に、ターゲットをディスクアクセスの最適化に特化し、オンチップマルチプロセッサ上でのヘルパースレッドによるキャッシュ最適化について研究開発を実施した。まず、DISKの先読みにヘルパースレッドを用いる例では、先読みスレッドで事前にデータの読み込みを行うことにより、事前にディスクキャッシュ上に目的のデータを乗せることを実現した。これにより、gzipが最大で39.2%性能向上することが確認できた。次に、DISKキャッシュ自体をネットワーク接続された他のPC上に置き、ヘルパースレッドによりディスクキャッシュを制御することによる高速化手法を提案し、DBT-3ベンチマークテストによりPostgreSQLに対して評価を行ったところ、最大大3.08倍の性能向上が確認できた。さらに、実アプリケーションとしてUSP研究所と連携し、マルチコアプロセッサ上でのシェルスクリプト実行の高速化を実現した。マルチコアプロセッサ・SMT環境において、シェルスクリプトの高速化を実現する手法、シェルスクリプトの自動並列化プログラムを提案することにより、マルチコアプロセッサ・SMTマシン上でシェルスクリプトの実行を1.4〜1.8倍高速化することができた。本研究成果は、USP研究所において製品化を目指している。なお、これらの評価実施にあたり、本研究費にて導入した合計6種類のマルチコアPCを用いた。さらに、最終年度の1月にはマルチスレッディング及びOSの専門家であるニュージャージー工科大学のアンドリュー・ソン先生を招聘し、本研究開発の成果を報告するとともに、実用化に向けてのアドバイスをいただいた。
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電子情報通信学会18回データ工学ワークショップ DEWS2007
ページ: E7-9
情報処理学会研究会報告 Vol. 2007, No. 17
ページ: 73-38
ページ: 233-238