研究概要 |
セマンテックWebサービスについて研究し、本研究で達成すべきシステムの構造を探求した。それに基づいて次のように研究を進めた。 (A)Webサービスの基礎には、XMLやSOAPなどによるコミュニケーションの部分があるが、それらを適切に隠蔽することが、本研究のような高次の情報処理を扱うために必要である。そこで、XMLやSOAPなどに関するいくつかの組み込み述語を開発した。 たとえば、[1]S式で示された質問内容をSOAPメッセージにしてWebサービスへ送信し、Webサービスの実行によって得られる答えをSOAPメッセージとして受信し、答えをS式の形で得るビルトイン、[2]リクエスタが送信してきたSOAPメッセージを受信し、S式に変換するビルトイン、[3]S式をSOAPメッセージに変換し、リクエスタに返信するビルトイン、などである。 これにより、セマンテックWebサービスの実現は、文字列などの低次のデータ構造(XML,SOAP)から解放された。すなわち、1つのコンピュータの中での1つのETプログラムの高速化とルール生成などに基づく適応技術が実現できれば、それを直ちにインターネットを介して行われるWebサービスに(変換して)適用できる。 (B)Webサービスの記述と認識のために、記述論理について研究し、論理構造を扱う一般理論の構築が進められた。これは、等価変換による計算理論との統合を目指して、論理による表現理論を一般的に構築するものであり、「Webサービスをいかに表現し、いかに発見し、いかに計算するか(高速に、適応的に)」の全体系を支える理論になる可能性がある。
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