研究分担者 |
斉藤 隆文 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (60293007)
並木 美太郎 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (10208077)
岡野 一郎 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 講師 (30285077)
耒代 誠仁 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (00401456)
櫻田 武嗣 総合情報メディアセンター, 助手 (10358864)
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研究概要 |
本研究では,創造活動の中心に筆記の共有,検索,再利用を据えて,文字,図,数式を含むすべての手書きを記録,検索,再利用できる環境を構築し,人間の創造活動をモデル化し,創造活動支援方式を確立することを目指す.この環境には,複数人が会議形式で利用する対話型電子ボード,個人が卓上で利用するペン入力PC(タブレットPC),そして,出先で利用する携帯のPDAをネットワーク接続する.手書き認識を利用者に意識させることなく検索や再利用に活用できるユーザインタフェースの認知的利点も明らかにする. 本年度は2年目にあたり,多様なペン入力装置の抽象化(一元化)を行えるペーパアーキテクチャを提案し,その一例として,ペン&ペーパデバイスで解答された答案を効率良く採点できるシステムのプロトタイプを示した.また,印刷文書に電子ペンでアノテーションしたものを検索できる機能を試作し,そのデモを発表した.さらに,ペン&ペーパデバイスで手帳に記されたメモを背後で認識処理にかけて検索可能にするプロトタイプも発表した.その他,手書きの古文書を読むために,ペンでその文字をまねて書くと,その読みや意味を引ける電子辞書の作成にも貢献した. 要素研究として,筆点座標系列情報を利用するオンライン認識方式に加えて,筆跡の2時限的空間情報を利用するオフライン認識の統合方式を見直し,認識性能の向上を確認した.さらに,Hidden Markov Modelによるオンライン認識方式に,絶対位置情報を追加する効果も確認した. これらの要素研究を統合して,対話型電子ボードで板書しながら講義すると,その板書をWebコンテンツに加工し,後から受講生が板書も含めて検索できる教育アプリケーションの研究開発を進めた.2台の電子ボードの接続実験にも着手し,その限界と可能性を検討しつつある.
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