研究概要 |
本研究では,創造活動の中心に筆記の共有,検索,再利用を据えて,文字,図,数式を含むすべての手書きを記録,検索,再利用できる環境を構築し,人間の創造活動をモデル化し,創造活動支援方式を確立することを目指す.この環境には,複数人が会議形式で利用する対話型電子ボード,個人が卓上で利用するペン入力PC(タブレットPC),そして,出先で利用する携帯のPDAをネットワーク接続する.手書き認識を利用者に意識させることなく検索や再利用に活用できるユーザインタフェースの認知的利点も明らかにする. 本年度は3年目の最終年度にあたり,ランダムマルコフモデルにより,手書きパターン分離アルゴリズムの高度化を達成した.また,自由筆記文字列認識の評価関数を確立し,SVM法による切り出し精度の向上と遺伝的アルゴリズムによるパラメータ学習により,認識率を大幅に向上させることができた.さらに,マルチサイト間の手書きによるコミュニケーションシステムとして,あるサイトの対話者の位置や姿勢の変化を,他サイトのカメラ映像に反映する(まるで窓を介して話しをするように,右によれば左の視野,左によれば右の視野が広がり,上下も同様で,前によれば,視野全体が広がる)方式を提案し,発表した.
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