研究課題/領域番号 |
17300032
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山口 雅浩 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (10220279)
|
研究分担者 |
大山 永昭 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50160643)
小尾 高史 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (40280995)
|
キーワード | メディア情報学 / ディスプレイ / 応用光学・量子光工学 / 画像工学 / 感性情報学 |
研究概要 |
本研究では、ホログラフィック・ステレオグラムの技術を利用し、物体の3次元形状、光沢や異方性反射の様子を3次元的な光線情報として忠実に再現することで、リアリティの高い画像再現を行う技術を確立することを目標として研究を行い、以下の成果が得られた。 (A)3次元的な光線情報の入力システムの開発 光沢・異方性反射特性などを失わずにフルパララックスの光線情報を効率的に収集する方法を検討し、複数のカメラを移動させながら光線情報を撮影する入力システムを構築した。またカメラ・キャリブレーションを行い、基礎的な実験を行った結果、高精度な光線情報を補間することで効率的に光線情報を入力できる見通しを得た。 また構造色を有する物体を対象とする反射特性の物理的モデルとして、回折によって生じる色に適用可能なモデルを考案し、従来のカメラでは撮影することが困難であった色情報を取得できることを実験的に示した。 (B)ハードコピー上でのリアリティ再現性の研究 フルパララックス・ホログラフィック・ステレオグラム作成光学系において、CCDカメラを用いて光学系の位置あわせ精度を向上し、200μm間隔でRGBサブピクセルの要素ホログラムを併置する方式で明るく高画質の立体像を作成できることを示した。 ホログラフィック・ステレオグラムにより再現される3次元的な光線の角度方向の再現特性を計測するシステムを構築し、分解能や均一性などシステムの基本性能を評価した結果、角度分解能約0.15degを達成できることを示した。またこの計測システムを用いてホログラフィック・ステレオグラムの特性を評価した結果、現行のシステムで記録した角度分解能(0.3deg)が再現できており、水平方向にはさらに高い角度分解能を実現できるとの見通しを得た。 また、上記システムで物体表面の角度依存反射特性を計測し、その結果からホログラフィック・ステレオグラムを作成する実験を行い、干渉色や回折による色の表現などに応用できる可能性を示した。
|