研究概要 |
1.ZBDDを用いたデータベース頻度インデックスの効率的生成アルゴリズムの研究: トランザクションデータベース解析処理の基礎的な処理である,組合せパタン出現回数(頻度)を,ZBDDによりインデックス化して計算機の主記憶上に生成・保持する効率的なアルゴリズムの研究開発を行った。これまでの予備的実験結果により,ZBDDを利用することによる性能向上がある程度予想されていたが,より最適化されたアルゴリズムを研究することにより,実用的な規模のデータベース解析処理に耐える本格的な基盤ソフトウェアを実現した。 2.データベース解析処理アプリケーションにおけるZBDD技術の活用法の研究: 本技術を現実のデータベース解析へ応用する場合,必ずしも理論的・数学的に閉じた世界ではなく,実問題の諸条件に合わせたアルゴリズムの研究開発を行う必要がある。そこで実問題への応用を想定したZBDD技術の活用法の研究を行った。例えば、データベースの統計的指標としてSupport(支持度)およびConfidence(確信度)がしばしば用いられるが,ZBDD技術を応用してこれらの統計的指標を高速計算し実問題に適用する手法を検討した。 3.データベース解析処理の統合的基盤ソフトウェアとしてのBDD/ZBDD処理系の再構築: 本研究計画を通して,データベース解析/データマイニング処理で必要となる様々な演算を整理検討した上で,既存のBDD/ZBDD処理系を再構築し,トランザクションデータベース解析処理の統合的な基盤ソフトウェアとして、開示・提供を行うためのソフトウェア開発を行った。具体的には,現在普及している32ビット計算機だけでなく大規模な主記憶を持つ64ビット計算機でも効果的に使用可能な北大版BDD/ZBDD処理系を開発し、国内外の研究者への提供を開始した。
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