研究分担者 |
北澤 茂良 静岡大学, 情報学部, 教授 (00109018)
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 准教授 (70293595)
祓川 友宏 静岡大学, 情報学部, 准教授 (90324326)
坂根 裕 静岡大学, 情報学部, 助手 (40345806)
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 助教 (20345804)
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研究概要 |
最終年度は,コモンセンス知識の構築に向けた思考と行動モデルの構造を検討し,マルチモーダル行動コーパスの拡充と収録環境の応用を検討した。以下に研究計画書のテーマ毎に成果を示す。1、収録環境デザイン:マルチモーダル行動収録環境のデザインを教材コンテンツの拡充と並行して行い,コモンセンス知識構築に有用であることを確認した。また,情報保障などのコミュニケーション支援ツールへの応用を検討し様々な分野で活用できることを確認した。2、行動コーパス構築:マルチアングルの映像、マルチチャネルの音声データを,養育者、教室講師、幼児教育専門家、研究者が異なる観点でコメントし共有するため,発話を主体とする外面的特徴に加え,感情、意図などの内面的特徴に踏み込んで行動を記述する言語仕様を設計し,それによる行動記述を蓄積した。3、教材コンテンツ制作:幼児教室で利用する教材コンテンツの評価のため,行動コーパスを教材の観点で構造化した。幼児の教材に対する取り組み方を詳細分析,現状の教室で不足している取り組みの特定,それを補完する教材コンテンツ制作,教室への提供という流れで,教材コンテンツの開発、実践、評価サイクルを実現した。4、コモンセンス抽出:主観による行動分析の解釈を多視点での議論で客観化するカンファレンスの実施体制を整備した。カンファレンスの実践により,行動の外面的特徴に着眼した発達変化の分析,問題解決に行き詰った場面などを対象に感情、意図、思考の解析を進め,コモンセンス知識抽出に繋がるシーンを多数抽出、蓄積した。 以上の多面的な検討により,人間の基本的なコモンセンス知識の解明の基盤となる幼児行動コーパス構築という当初の目標を達成できたことに加え,実世界応用への道筋も示した。
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