研究課題
基盤研究(B)
複雑系の研究において"階層性の発現"は基本的かつ重要な研究テーマである。本研究では理論的および実験的な課題を設定し研究目的とした。前者は、"切り替えダイナミクスの非線形動力学的解析"である。これは、常微分方程式の確率的切替によって高次元状態空間に形成される軌道集合の特徴について非線形動力学理論による解析を行い、軌道集合の階層構造をマルチフラクタルによって定量化し、さらにこの結果を用いて、相互作用によって時間軸方向と実空間に創出されるフラクタルな時空間階層構造を制御する方法を明らかにすることが課題である。後者は、"可変入力培養神経回路システムの構築と時空間階層構造の計測・制御"である。これは、ニューロンの信号を計測可能な培養神経回路の実験系を構築し、得られた理論的解析結果に基づいてウェットな神経回路に現れるフラクタルな時間的・空間的階層構造の計測法および制御法を確立することを課題とした。理論的な目的はほぼ達成された。実験的な目的の達成率は十分ではないが、本研究によって、多電極プローブ上で分散培養したニューロンを用いて、ニューラルネットワークの時間と空間のダイナミクスを計測し制御するという研究方向が科学的にも技術的にも大きな可能性を持っていることが明確になってきた。さらに実験システムを充実させることによって、神経回路網が形成される前の初期段階から1カ月後までの発達期、1年におよぶ長期のダイナミクスの時間的・空間的変化の計測と制御を可能とし、理論を展開するためにも必要となるウェットな培養神経回路網の実験系が構築できることを示した。今後は、構築した実験系を理論家に広く開放して、理論と実験を接続するプラットフォームとし、マルチスケールな時間・空間ダイナミクスに注目した、脳情報処理の新たな研究領域および新しい学問分野を開拓することを目指す。
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