研究概要 |
本研究では、対話型進化的計算における「生成的インタラクション」という考えを提唱し、遺伝的プログラミングよる創発デザインを実現することを目的とする。コンピュータと人間との「生成的インタラクション」とは、従来の直接的なGUIインタラクションを一歩進めて,コンピュータにおいて創造的インタラクションを実現する手法である.具体的には、コンピュータ内に複雑系や進化的計算の知見を生かしたある種の生成的なプロセスを生み出し,ユーザとの間に介在させるという,新しいインタラクションの形を提案する. そのための最初の取り組みとして、平成17年度は以下の研究を行った。 1.生成的インタラクションの基本部分の設計を行った。特に対話的進化を効率的に導くための的確な遺伝子表現の開発を行い、対話的デザインの実装を実現した。 2.デザインといえどもある種の拘束条件での準最適値の探索が不可欠である。そのために、構築したシステムの基本的な探索能力の検証を行った。具体的には様々なベンチマーク問題に対して空間/時間計算量を従来のシステムと比較し、探索能力を解析した。この結果に基づき可能な改良の方向が明らかになった。 3.構築したシステムをさらに発展させると共に、さまざまな設計に適用可能な生成的インタラクションの枠組を実現した。 4.これらの成果をもとにして、進化型ロボットの動作制御システム、リズムを中心とした自動作曲システム、進化論的アプローチに基づく金融データの推定システムを試作し、有効性の検証を試みた。
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