研究概要 |
本研究は,視覚障害者が外界の様子を直感的に把握する装置がないことに着目し,視覚以外の感覚と人間の能動的な知覚行為を利用した新しい空間属性認識装置を研究したものである.本研究グループは、空間情報(物体までの距離・方位)を抽象記号(音、点字)として伝えるのではなく,腕の向き・腕の屈伸などに働きかけて,外部の様子を非接触で直感的に利用者に伝達する装置(以下CyARMと呼ぶ)を開発した. 本年度はCyARMの性能の向上と小型軽量化を行ない,CyARMや市販の空間知覚装置を使った形状認識やその学習効果に付いて評価を行ない,成果を国際学会などで発表した. 1.CyARMの形状理解能力 小型軽量化したCyARM(Level4)を使って,被験者が視覚を用いずに立体形状(円柱,球,立方体,直方体)を理解できるか実験した.形状を理解する手がかりが,縁の鋭さとアスペクト比であることが分かった.また実験では,学習をしなくとも4つの形状をある程度弁別できることがわかった. 2.空間知覚装置と能動的知覚行為の関係 CyARMとPalmSonarを用いて,学習効果が立体形状の認識に与える効果を確認する実験を行なったところ,80%の認識できたことが確認された. 3.能動的知覚行為を生かした新しい装置の提案能動的知覚行為を生かした,親しい知覚装CyARM(CyARM-Banana他)を設計し実装した.
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