研究分担者 |
西井 龍映 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (40127684)
前園 宜彦 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (30173701)
百武 弘登 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (70181120)
内田 雅之 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (70280526)
二宮 嘉行 九州大学, 大学院数理学研究院, 助手 (50343330)
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研究概要 |
前年度までの研究成果の問題点を整理して重点研究課題を策定して研究を推進し,複雑な現象を解明するための非線形モデリングの数理と多様なデータの分析を可能とする汎用性の高い統計的分析手法の開発研究に取り組み,平成18年度は以下のような研究成果を挙げた. 1.生命科学,地球環境科学等の分野でしばしば観測・測定される超高次データに基づく分析手法開発を目的として,高次元データを離散時点観測データとして捉え,非線形モデリング手法を適用して関数化処理した関数データ集合に基づく識別・判別法,クラスタリング,次元圧縮などの分析手法の理論・方法論の研究を行った. 2.リモートセンシング画像の土地被覆分類のために,マルコフ確率場を用いて複数の土地被覆が混在する画素も利用する手法や,分布間の距離に基づく確率場による手法を研究した.また統計的学習理論のアプローチにより、確率場に基づく手法と同等性能を高速度で実現する手法を開発した 3.ノンパラメトリックな設定の下で様々な統計量のクラスについてこれまで得られている漸近理論を利用して,具体的な統計量についての適用とその修正を行った. 4.多変量正規分布の母平均の成分がすべて等しい場合において,大きさ一定の平均の信頼区間の構成に対して,欠測値を含むデータに基づく二段階法を提案した. 5.小さな拡散をもつ拡散過程に対して,等間隔に観測された離散データを用いてドリフトパラメータの推定を行った. 6.強い相関をもつ多重検定に対する保守的な検定の提案と,非正則な統計モデルに基づく林分成長分析方法を提案し,量的遺伝子座の検知問題やDNAシーケンスの中の変化領域検知問題など,ゲノムサイエンスの重要課題に前者の方法を適用した. 7.任意有限次元の飛躍付拡散過程の統計的高次漸近推測の定式化に際して本質的となる指数的ベータ・ミキシング性,および積率の一様有界性の為の十分条件を導出した.
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