研究概要 |
本研究は,次の7テーマ((1)社会における統計需要度調査計画・実施,(2)初等・中等教育における統計教育の国際比較,(3)小中高における検定教科書内容検討,(4)海外の統計学協会が公表する教育指針の比較分析,(5)ISI多言語対応統計用語データベースの公開,(6)社会における高度専門職としての統計家の実態調査,(7)統計教育の情報化のためのe-learningモデル構築を目的として研究を行った。とくに本年度は,研究課題の最終年度としてそれぞれのテーマに関する成果のまとめと全体の研究課題の総括を行った。具体的には,(1)に関しては,既に昨年度に企業,事業所を対象とした『データ分析と統計知識の需要度調査』を実施し結果を集約しているので,本年度はその結果を一部踏まえた上で,日本学術会議報告書「数理科学分野における統計科学教育・研究の今日的役割とその推進の必要性」がまとめられた。(2),(3),(4)に関しては,諸外国の統計教育のナショナルガイドラインを比較表にまとめ,その成果を同じく上記の報告書に掲載した。また新たに本年度行った,日本の大学における統計教育・研究実態調査の結果と併せて,日本の統計教育の現状と課題を,日本行動計量学会,統計関連学会連合大会など国内の諸学会年会における企画セッションや国際計算機統計学会(IASC2008)における招待セッションをオーガナイズし,報告した。(5)に関しては既に研究開発を終えており,本年度の活動はないが,(6)に関するヒアリング記録を使用したWeb上の統計基礎学習のためのe-learningモデルを設計し,放送大学内でローカルに公開した。
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