研究概要 |
fMRIのNN-ARXモデリングのツールボックス作成: 1400,000個のヴォクセルからなるfMRI画像の時系列は140,000次元の時系列とみなすことによって、画像としては見えてこなかった脳内の各部位間の微妙な相関関係(時間相関と空間相関)が見えてくる。我々が前回のプロジェクトで導入したfMRI時系列解析用のNN-ARXモデルを利用してこれを視覚化することに成功した。これによりConnectivityの強い部位間を網羅的に探索して視覚化することが可能となった。手法はツールボックス化し生理学研究所や東北大学加齢研究所の関係者、研究協力者の利用に供した。より汎用性のあるツールボックスにしてひろく世の中に頒布するための作業は将来のプロジェクトの課題である。 fMRIのダイナミックな方向付きのCausality解析の方法: fMRIデータを用いた特定の部位間のCausalityをその方向を含めてfMRI計測データから客観的に推定する手法を開発した。視覚実験のfMRIデータでV1,V5,PP間のダイナミックな因果関係が明確に把握できることが検証できた。手法は前記NN-ARXモデリングのツールボックスの中に埋め込まれている。 その他分散不均一性の情報を利用したEEG/MEGの信号成分分解手法、およびEEGとfMRIの融合モデルの研究を行った。ここで主要な役割を果たす微分方程式モデルによる神経物理モデルとその状態空間と局所線形フィルターを使った最尤推定に関する新しい結果も得られた。
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