GluR2(K882A)をプルキンエ細胞特異的に発現する遺伝子改変マウスの作出 テトラサイクリン誘導体の投与中止により時期特異的に、小脳プルキンエ細胞に限局し、GluR2(K882A)あるいは野生型GluR2を発現するマウスを作出し解析することを目的とした。この部位時期特異的遺伝子発現マウスの作出には以下の2種類のトランスジェニック(Tg)マウスを作出し、それらをかけ合わせる必要がある。 1)L7-rtTA プルキンエ細胞特異的プロモーターL7制御下で、リバーステトラサイクリントランスアクチベーター(rtTA)遺伝子を発現するTgマウス。 2)tetO-GluR2(K882A)または野生型GluR2-IRES-GFP ドキシサイクリン(DOX、テトラサイクリン誘導体)非存在下で、GluR2(K882A)または野生型GluR2を発現するマウス。(DOXの投与により遺伝子発現が抑制される。) (1)に関しては、すぐれた2ラインのTgマウスを得ている。これらマウスの小脳皮質にtetOプロモーター制御下でGFPを発現するレンチウイルスベクターを接種し、DOXを2週間与えたところ、プルキンエ細胞特異的なGFPの発現が観察された。 (2)に関しては、コンストラクトを作出、外注にて受精卵にインジェクションし産仔を得たが、1ラインも目的のものが得られなかった。そこで再びコンストラクトを作出しなおして外注したところ、tetO-GluR2(K882A)が8ライン、tetO-野生型GluR2が2ライン得られた。現在、これらを増やして目的にあったラインを選び出す作業をしている。本研究期間の途中で異動したので一時研究が停滞していたが、マウスが出来上がり次第電気生理解析を行えるよう電気生理のセットアップを完了させた。
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