研究課題/領域番号 |
17300109
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山田 光則 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (30240039)
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研究分担者 |
小野寺 理 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (20303167)
高橋 均 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
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キーワード | ポリグルタミン病 / 病理 / 動物実験 / 蛋白質解析 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
申請者らは,ポリグルタミン病の一種である歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)の剖検脳において、下オリーブ核肥大を合併している症例に遭遇し、肥大した神経細胞核で、選択的に変異蛋白質の核内蓄積が消失していることを発見した。ポリグルタミン病の変異蛋白質を分解除去する分子を解明することを目的として、マウスに片側性の下オリーブ核肥大を実験的に作成し、肥大部位における発現分子を解析した。 Ettan^<TM>DIGE(2-D Fluorescence Difference Gel Electrophoresis)システム(Amersham社、当脳研究所現有)による解析で、これまでに肥大側優位に発現が増加している蛋白質を4種類特定し、さらに検索を進めている。特定した2種類はアデノシン三リン酸合成酵素に関連する分子であった。他の2種類のうち1種類の分子に関して、脳における発現状況を免疫組織化学的方法により検討した。ヒト剖検脳では正常の下オリーブ核神経細胞は陰性であったが、肥大神経細胞では胞体内にびまん性の陽性像が得られた。この変化はDRPLAおよび対照例の下オリーブ核肥大で共通に観察されたことから、ポリグルタミン病に特異的な反応ではなく、神経細胞の肥大現象に関連した分子発現と思われた。一方、実験的に片側性下オリーブ核肥大を作成したマウス(作成1ヶ月後)の脳組織では、ヒト脳で観察されたような明確な陽性像はこれまで得られていない。検出感度、観察時期などの検討が必要と考えられた。残りの1種類の蛋白質に関しては現在解析中である。
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