研究課題/領域番号 |
17300110
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
井出 千束 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (70010080)
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研究分担者 |
鈴木 義久 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30243025)
出沢 真理 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50272323)
松本 直也 大阪大学, 医学部付属病院, 研修登録医 (50359808)
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キーワード | 移植・再生医療 / 骨髄細胞 / 脈絡叢 / 脳虚血 / 脊髄損傷 |
研究概要 |
骨髄間質細胞に関して:予てより骨髄間質細胞移植による脊髄損傷治療の臨床応用をすべく、関西医科大学倫理委員会に申請していたが、平成17年7月1日に委員会にて承認され、同大学の救急部にて臨床試験(I,II相)が始まった。 これは日本で最初の細胞移植による脊髄損傷治療の道を開くものとして特筆すべきである。承認されてから、いくつかの症例はあったが、プロトコルに合わない、細胞培養施設の保守点検期間に重なる、などの事情によって実施出来ずに来たが、平成18年3月11日に適応症例があり、日本における骨髄間質細胞移植による脊髄損傷治療の記念すべき第1例目となる可能性がある。 一方、細胞培養というステップは煩雑であり、施設も限られるので、細胞培養を経ないで、骨髄から分離した細胞を直接移植する方法を探求した。その試みとして骨髄間質細胞も含まれる骨髄単核球を分離して脊髄損傷のラットに移植した。移植効果は、間質細胞の場合と同様に、組織変性を抑制し、神経軸索の伸長を促進した。歩行運動の改善も同様に見られた。この細胞を注入した髄液内にニューロンの生存と突起伸長を促す機能があることが明らかとなった。 この効果は骨髄間質細胞とニューロンの共培養でも確認された。今後はこのように培養を経ないで移植出来る方向が重要と考える。 脈絡叢上衣細胞に関して:中大脳動脈の結紮によって大脳半球の支配領域に虚血性傷害を作り、直後に培養脈絡叢上衣細胞を移植することによって、変性大脳皮質の大幅な救済が得られる。共培養系で、脈絡叢上衣細胞から神経細胞の突起伸長と生存を促進させる因子が放出されていることが明らかとなった。この因子は50KDのレベルで別けて、それより大きな領域にある分子に効果があった。さらに脈絡叢上衣細胞には神経幹細胞が少数ながら含まれ、ニューロングリア細胞に分化することを明らかにした。
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