研究課題
本研究では、基本骨格をスチルベン、フラボンを中心とする化合物から考案した数種類のリガンドの性質を比較検討してきたが、オーロン化合物を開発した研究成果を報告する。オーロンに注目した理由は、フラボン化合物の合成の難易度を下げること、チオフラビン構造の利点をさらに取り込む事を目的としたデザインとなっている。さらに、アミノ基に炭素同位体標識したオーロンを厳密に比較するために、まずアミロイド1-42ペプチド重合体への解離定数を検討した。その結果、スキャッチャードプロットにより約7.9nMと十分強固なことが示されたので、さらにヨード標識したアミノ基、モノメチル体、ジメチル体を比較したところ、モノメチル体がもっとも強力な結合阻害活性をもつことが判明した。同化合物は、脳内への速やかな移入と、脳内からの急速な排出が期待されるが、尾錠脈から注入したオーロン化合物は、2分後には1.9-4.6%という迅速な取り込みがある反面、30分後には0.5%以下に排出され脳内に停留しないという特牲が確認された。さらに、早期発症をあらわすダブルTg(Tg2575xPS1A260V)はAb1-42が多いことが示されているが、このモデル脳組織でも特異的な強い老人斑染色を確認することができた。今後、このオーロン化合物は、フラボン化合物と並び重要なアミロイドリガンドとして有力なPET化合物として検討に値すると考えられる。
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