研究課題
基盤研究(B)
本研究は、研究代表者らの研究により2001年に発見された筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遣伝子"ALS2"に焦点を当て、ALS2遺伝子変異を有する新たな運動ニューロン疾患(MND)モデル動物を作出すると同時に、その分子病態解析ならびにALS2遺伝子産物(ALS2)の神経細胞における分子機能研究を通じて、ALSを含めたMND発症のメカニズムを分子レベルで理解することを目的とするものである。具体的には、新規モデル動物の作出としては、正常型ヒトALS2遺伝子、ALS2スプライシングバリアント、およびRab5GEF活性触媒部位を欠失した変異型ALS2遺伝子発現トランスジェニック(tg)マウスの作出を行うとともに、コンジェニック系Als2欠損(KO)マウスの作出を行った。そして、コンジェニックAls2-KOマウスと既存のALSモデルである変異型SOD1^<H46R>-tgマウスとの交配実験を通じて、ALS2が変異SOD1によるMNDの発症および進行に影響を及ぼす因子であることを個体レベルで明らかにした。ALS2の神経細胞での分子機能研究については、Als2-KOおよびALS2-tgマウス由来の初代培養神経細胞を用いて、ALS2が未成熟期神経細胞においては成長円錐におけるアクチン陽性膜小胞に分布すること、軸索伸長を調節する因子であること、および神経細胞に選択的なマクロピノサイトーシス調節活性を有していることを見いだした。さらに、ALS2相同遺伝子産物であり、かつALS2の結合因子であるALS2CLの分子機能解析により、ALS2CLがALS2の有するエンドゾーム・膜小胞動態の機能調節因子であることを明らかにした。以上のような研究成果から、ALS2は細胞内での膜動態調節機能を介して神経細胞の維持・生存を担っており、その機能的喪失がALS/MND)発症の分子基盤になっていると推察された。
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