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2006 年度 実績報告書

脳の発達、維持、病態におけるスフィンゴ糖脂質の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17300122
研究機関東海大学

研究代表者

鈴木 邦彦  東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30384895)

研究分担者 松田 純子  東海大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教授 (60363149)
キーワードスフィンゴ糖脂質 / スフィンゴリピドーシス / モデルマウス / 脳病態 / セラミド / 小脳 / プルキンエ細胞
研究概要

スフィンゴリピドーシスは、スフィンゴ糖脂質のライソゾームにおける分解異常を病因とする疾患群で、その多くは重篤な神経病変をきたす。我々は、その疾患モデルマウスを作成し、脳の発達、維持、病態におけるスフィンゴ糖脂質の機能解析を行っている。スフィンゴ脂質活性化たんぱく質(サポシンA, B, C, D)は共通の前駆体であるプロサポシンから誘導される相同性の糖たんぱく質で,多くの疎水性スフィンゴ糖脂質のライソゾームにおける分解に必須である。最近我々は、サポシンDノックアウトマウス(Sap-D KO)を作成し、その小脳と腎臓にはHFA-セラミドが蓄積し、小脳プルキンエ細胞死による運動失調と腎尿細管変性による多尿を呈することを明らかにした。本研究ではSap-D KOにおける小脳プルキンエ細胞死の分子メカニズムの解析を行った。小脳プルキンエ細胞死は日齢120頃より左右対称のゼブラ状に領域特異的に進行し、そのパターンはセラミドの分解産物であるスフィンゴシンをスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)に代謝する酵素であるスフィンゴシン・キナーゼ(SPHK1)の発現パターンと相関していることが抗SPHK1抗体を用いた免疫組織化学的検討で明らかになった。すなわち、Sap-D KOにおいてはSPHK1を発現していないプルキンエ細胞群がより早期に細胞死に至り、SPHK1を発現しているプルキンエ細胞群は病末期まで生存していた。同様の所見はNiemann-Pick病C型マウスモデルマウスの小脳においても見出された。一方、初代培養プルキンエ細胞を用いた検討でSPHK1はプルキンエ細胞樹状突起の棘突起部分に局在していることが明らかになった。これらの研究成果から、セラミド、スフィンゴシン、S1Pは細胞死やCa代謝などに加え、小脳プルキンエ細胞における神経伝達においても重要な役割を果たしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Combined saposin C and D deficiencies in mice lead to a neuronopathic phenotype. glucosylceramide and α-hybroxy ceramide accumulation,and altered prosaposin trafficking.2007

    • 著者名/発表者名
      Sun Y et al.
    • 雑誌名

      Hum.Mol.Genet. (in press)

  • [雑誌論文] The function of sphinggolipids in the nervous system : Lessons leamt from mouse models of specific sphingolpid activator protei deficiencies.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsuda J et al.
    • 雑誌名

      J.Neurochem. (in press)

  • [雑誌論文] スフィンゴリピドーシスの新たな疾患モデルマウスの作成 : 神経系におけるスフィンゴ糖脂質の生理機能の理解と神経病変治療法の開発をめざして.2006

    • 著者名/発表者名
      松田純子
    • 雑誌名

      日本先天代謝異常学会雑誌 22

      ページ: 35-41

  • [雑誌論文] GD3-and O-acetylated GD3-ganglopsides in the GM2 synthase-deficient mouse brain and their immunohistochemical localization.2006

    • 著者名/発表者名
      Matsuda J et al.
    • 雑誌名

      Proc.Jpn.Acad.,Ser.B. 82

      ページ: 189-196

  • [図書] Lysosomal Storage Disorders edited by Barranger,J.,Cabrera-Salazar,M.A.2006

    • 著者名/発表者名
      Matsuda J et al.
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      Spriger,New York.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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