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2007 年度 実績報告書

海馬苔状線維シナプスにおけるグルタミン酸・GABA共放出仮説の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17300125
研究機関北海道大学

研究代表者

神谷 温之  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10194979)

キーワード海馬 / シナプス伝達 / グルタミン酸 / GABA
研究概要

幼弱期の海馬苔状線維シナプスにおいて、興奮性伝達物質であるグルタミン酸に加えて抑制性伝達物質であるGABAを放出されるという仮説が提唱され注目を集めている。本研究では、この幼弱期海馬苔状線維シナプスにおける「グルタミン酸・GABA共放出仮説」の妥当性について詳細な電気生理的・免疫組織化学的な再検討を行うことを目的とし、両者の解析においても「グルタミン酸・GABA共放出仮説」を棄却する結果を得た。すなわち、これまでに報告されたグルタミン酸ブロッカー存在下に歯状回顆粒細胞層刺激によって記録される「単シナプス性」GABA性IPSPは、不適切に強い刺激によって抑制性介在ニューロンを同時に刺激したことによるGABA応答の混入によるものであり、弱い刺激強度を用いて苔状線維を選択的に刺激した際にはGABA応答は生じなかったことから、苔状線維自身はGABAを放出できないと考えられた。また、GABAシグナリングに関わるGABA、GAD、VGATなどの分子の免疫組織学的解析を行い、分子的背景について形態学的に解析したところ、グルタミン酸シナプスである苔状線維終末にはGABAおよび合成酵素GADがわずかに発現するが、小胞放出に不可欠なVGATはほとんど発現していないことが明らかになった。幼弱期の海馬苔状線維終末はグルタミン酸シナプスであるにも関わらずGADをわずかに発現しGABAを合成することができるが、小胞放出に不可欠なVGATが存在しないことからこれを放出することはできないと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evidence against GABA release from glutamatergic mossy fiber terminals in the developing hippocampus2007

    • 著者名/発表者名
      Uchigashima, M., et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience 27

      ページ: 8088-8100

    • 査読あり
  • [学会発表] カルシウムストアと海馬プレシナプス可塑性2007

    • 著者名/発表者名
      神谷温之
    • 学会等名
      第30回日本神経科学学会大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2007-09-11
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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