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2005 年度 実績報告書

シナプス前終末におけるCa^<2+>チャネルの分布と機能

研究課題

研究課題/領域番号 17300126
研究機関群馬大学

研究代表者

城所 良明  群馬大学, 名誉教授 (00053083)

研究分担者 上野 耕平  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40332556)
田村 拓也  群馬大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (80396647)
キーワードシナプス / Ca^<2+>チャネル / シナプス前終末 / ショウジョウバエ / 突然変異体
研究概要

シナプス前終末にあるCa^<2+>チャネルは多種類あり、エクソサイトーシスとエンドサイトーシスに関与している。我々はショウジョウバエの神経筋シナプスにおいて3種類のCa^<2+>チャネルを区別し、それぞれの機能と分布を研究している。そのうちの一つcacophony(cac)Ca^<2+>チャネルはcacophony遺伝子によってコードされていて、エクソサイトーシスの際に働いている。この遺伝子に蛍光標識EGFPをつけたトランスホーマントを用いて、その前終末における分布を調べ、次のような所見を見出した。1)cac Ca^<2+>チャネルは小さなクラスターを作り、前終末のシナプスの中央部に存在する。したがってこのCa^<2+>チャネルが開口することによっておこるCa^<2+>の流入は小さな部位に限局していることが推測される。2)cac Ca^<2+>チャネルのクラスターは均一の大きさではなく、その大きさ、すなわちCa^<2+>チャネルの数に大きなばらつきがある。このことはそれぞれのシナプスにおいてCa^<2+>流入量が異なり、分泌確率が異なっていることを示唆している。3)またその分布は一様ではなく、シナプスブートンのわきの方に多く、上下の面には比較的少ない。このことはシナプス小胞の分布と関連している。Exo/Endo cycling poolに属するシナプス小胞がブートンのまわりに集まりドーナツ状になることが知られているが、その分布にcac Ca^<2+>チャネルの分布とには密接な関係がある。
また、cac Ca^<2+>チャネルの完全欠失株の幼生を用いてシナプス伝達を調べたところ神経刺激によっておこる同期した小胞の放出は完全に欠失していた。このことはcac Ca^<2+>チャネルのみがエクソサイトーシスに関与していることを示している。ただし非同期のシナプス小胞放出はこの完全欠失株においてもおこることから、他の種のCa^<2+>チャネルも放出部の近傍に存在することをうかがわせる。同期性、非同期性放出はともにクモ毒、PLTII、によって抑制される。一方エンドサイトーシスを主として抑制するLa^<3+>はシナプス伝達に関与しない。したがってLa^<3+>感受性チャネルは放出部位から離れたところにあると思われる。エクソサイトーシスに関与するCa^<2+>チャネルの一つのクラスター内の数は、たかだか数十個であると推定されている。この数がシナプス伝達の効率を支配する因子の一つである可能性が大きい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Analysis of conditional paralytic mutants in Drosophila sarco-endoplasmic reticulum calcium ATPase reveals novel mechanisms for regulating membrane excitability.2005

    • 著者名/発表者名
      Sanyal, S., Consoulas, C., Kuromi, H., Basole, A., Mukai, L., Kidokoro, Y., Krishnan, K.S., Ramaswami, M.
    • 雑誌名

      Genetics 169

      ページ: 737-750

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] External Ca^<2+> dependency of synaptic transmission in Drosophila synaptotagmin Imutants.2005

    • 著者名/発表者名
      Okamoto, T., Tamura, T., Suzuki, K., Kidokoro, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Neurophysiology 94

      ページ: 1574-1586

  • [雑誌論文] Functional role of a novel ternary complex comprising SRF and CREB in expression of Krox-20 in early embryos of Xenopus laevis2005

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, T., Hongo, I., Kidokoro, Y., Okamoto, H.
    • 雑誌名

      Developmental Biology 277

      ページ: 508-521

  • [雑誌論文] Exocytosis and endocytosis of synaptic vesicles and functional roles of vesicle pools : Lessons from the Drosophila neuromuscular function.2005

    • 著者名/発表者名
      Kuromi, H., Kidokoro, Y.
    • 雑誌名

      Neuroscientist 11

      ページ: 138-147

  • [雑誌論文] Synaptic Vesicle trafficking and recycling at the neuromuscular Junction ; Two pathways for endocytosis.

    • 著者名/発表者名
      Kidokoro, Y.
    • 雑誌名

      Book Chapter ; "Drosophila Neuromuscular Junction"(ed. V.Butnik and C.Ruiz.)(Elsevier) (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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