研究課題
基盤研究(B)
1.Cacophony Ca^<2+>チャネルの分布ショウジョウバエのシナプスにおけるCa^<2+>チャネルのαサブユニットはcacophony(cac)と呼ばれる遺伝子によってコードされている。このcacCa^<2+>チャネルに蛍光標識・EGFPをつけた形質変換株がKawasaki et al.(2004)によって作製された。この形質変換株(cac^<EGFP>)を用いてcacCa^<2+>チャネルの分布を調べシナプス小胞の分布と比較した。高K^+液によってシナプス小胞内に蛍光色素FM4-64を取り込ませると、シナプス前終末boutonの末梢、すなわち表面に近い部分に蛍光が見られる。この分布はcac^<EFGP>の分布と相関している。このことは、この条件下ではエンドサイトーシスが小胞放出部位の近傍で起こっていることを示している。2.cacCa^<2+>チャネルの機能cac^<null>幼生においては速いシナプス伝達はほとんど起こらない。ただし、外液中のCa^<2+>濃度を5mMに増加すると遅延した放出(delayed release)が起こる。このdelayed releaseは合成クモ毒、PLTX IIによって抑制される。このことからcacCa^<2+>チャネル以外のCa^<2+>チャネルから入るCa^<2+>によってdelayed releaseは起っていると考えられる。cac^<null>変異株にcac遺伝子を導入すると速いシナプス伝達は回復する。ただしcontrolに比してこの変異株におけるシナプス電流の振幅は44%で完全な回復ではない。このような不完全な回復はsynaptotagminIの変異株においても得られたことから、人工的に導入した遺伝子は正常な遺伝子ほど有効に活性化されないと考えられる。
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