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2006 年度 実績報告書

トロポニンT分子突然変異による遺伝性心筋症の病態発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17300129
研究機関九州大学

研究代表者

森本 幸生  九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (50202362)

キーワード拡張型心筋症 / 肥大型心筋症 / 拘束型心筋症 / トロポニン / 遺伝子突然変異 / ノックインマウス / カルシウム感受性 / 疾患モデルマウス
研究概要

1.心筋トロポニンTΔK210拡張型心筋症ノックインマウスの解析
心筋トロポニンTΔK210拡張型心筋症ノックインマウスの解析の結果、この変異のためにミオフィラメントのカルシウム感受性低下が起き、生体はそのために生じる心臓ポンプ機能の低下を心拡大と同時に様々なイオンチャネルやサルコメア蛋白質分子のリモデリングによって巧妙に代償しようとするが、皮肉なことにその結果致死的不整脈発生のリスクが著しく増加し突然死に至る確率が高くなることが明らかになった(Circ Res, in press)。このように、本研究室において世界で初めて作出に成功した拡張型心筋症ノックインマウスを使うことにより、心筋トロポニンTΔK210変異によって引き起こされるヒト拡張型心筋症の詳細な病態発現機構を解明するという当初の目標を達成することができた。
2.新規ノックインマウスの作製
肥大型および拡張型心筋症において実に多くの突然変異が心筋トロポニンTにおいて見つかっている。これまで肥大型あるいは拡張型心筋症という大別して2種類に分類されていたものが遺伝子変異から見ると実はかなり異なる病態をもつことが明らかになってきた。単一遺伝子病であってもその遺伝子の変異部位により予後や病態進行速度などがそれぞれ異なると考えられる。本年度の研究では、心筋トロポニンTミューテーションの中で肥大型心筋症を引き起こすI110FとS179F,拡張型心筋症を引き起こすR141WとA172Sに対するノックインマウスの作製に必要なターゲティングベクターすべての構築に成功した。S179Fに関してはさらにキメラマウスの作製まで完了することができ、肥大型心筋症ノックインマウスの作製に道を開くことができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular pathogenic mechanisms of cardiomyopathies caused by mutations in cardiac troponin T.2007

    • 著者名/発表者名
      Sachio Morimoto
    • 雑誌名

      Adv Exp Med Biol. 592

      ページ: 227-239

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] A knock-in mouse model of dilated cardimyopathy caused by troponin mutation.2007

    • 著者名/発表者名
      Du et al.
    • 雑誌名

      Circ Res. (in press)

  • [雑誌論文] 特発性心筋症における筋収縮・調節蛋白質の機能異常「特発性心筋症-病因解明の最前線」2006

    • 著者名/発表者名
      森本幸生
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 217・8

      ページ: 825-829

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 肥大型心筋症ハンドブック -life long disease としてのマネジメント2007

    • 著者名/発表者名
      森本幸生
    • 総ページ数
      317
    • 出版者
      日本医事新報社

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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