研究課題/領域番号 |
17300130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
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研究分担者 |
三澤 裕美 奈良県立医科大学, 医学部, 教務職員 (50281275)
中川 正 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20372857)
中山 晋介 名古屋大学, 大学院医学研究科, 助教授 (30192230)
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00142381)
国安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 胚性幹細胞 / ペースメーカ細胞 / 壁内神経系 / 脳由来神経栄養因子 / カルシウムイメージング / 蠕動運動 / ニコチン受容体 / ムスカリン受容体 |
研究概要 |
まず、マウス胚性幹細胞から腸管様細胞塊(ES腸管)を作った。特別の分化誘導因子を加えない培地での浮遊培養によるES腸管では、腸壁内神経細胞はほとんど存在しない。そこで、いくつかの神経栄養因子のうち腸管の壁内神経系の発生に最も有望と思われるbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)を胚様体(EB)形成時に作用させると、神経堤細胞の形成を介して壁内神経系が分化誘導されるという結果が得られた(新規日本特許出願済;出願番号:特願2005-59547)。ニューロフィラメント(NF)の免疫染色を行うと14-21日目でNF陽性の神経節や神経線維の分化を確認できた。ICCのマーカーであるc-kitについてはBDNFの処理、非処理に関わらず14-21日目で陽性であった。 ついで平成17年度にセットアップしたCaイメージング装置を駆使してこれらの壁内神経細胞の刺激に対する反応を平成18年度にかけて記録した。前年度の成果をふまえ、GFP遺伝子を導入していないES細胞からES腸管を作製した。培養14-28日で動き始めるES腸管には壁内神経系とICCを兼ね備えたペースメーカ制御機構を構築することができた。さらに、Fluo-3をロードしてCaイメージングシステムによりCa振動や神経刺激により誘起されるCa上昇反応を測定した。神経刺激により誘起されるCa上昇反応によりニコチン受容体、ムスカリン受容体の発現を確認した。 さらに並行して、ICCの分化誘導の阻害と自発運動の関係を見るためにtyrosine kinase inhibitor,を培地に加え、ICCの分化誘導の阻害を試みた。完全に阻害された時にはほとんどすべてのES腸管は動かなかった。2年間の研究の結果を統括するとES腸管が蠕動運動を発生するには壁内神経系とICCを兼ね備えたペースメーカ制御機構の構築が必須であると結論される。
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