研究課題/領域番号 |
17300139
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中村 孝夫 山形大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00142654)
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研究分担者 |
野村 保友 山形大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80237883)
楠 正隆 愛知医科大学, メディカルクリニック, 講師 (80214956)
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キーワード | 糖代謝 / 交感神経 / 電気刺激 / 末梢筋 / インスリン / グリコーゲン / トリグリセリド |
研究概要 |
本年度は(1)末梢交感神経賦活の及ぼす血液生化学的効果の検討を進めると共に、(2)筋組織内グリコーゲン及びトリグリセリド含有量の検討を行い、(3)タンパク並びに遺伝子発現量を検討して、(4)次の研究段階の検討を開始することを予定していた。結果としては、下記にまとめるようにほぼ順調に進めることができ、また(1)の結果から派生して(5)脂肪組織に対する効果についても予備的な検討を開始することができた。 1.2型糖尿病モデル群の片側坐骨神経内交感神経の効果を重点的に検討した結果、モデル群に対しても健常群と同様に糖・脂質代謝系血液パラメータに効果が見られることがわかった。また1型糖尿病モデル群では糖負荷に対する交感神経活動応答が減弱していることを明らかにした。今後は刺激パラメータの影響を広範囲に検討していく必要があると考えられた。(中村、楠、大学院学生) 2.筋組織のグリコーゲンとトリグリセリド含量を測定し、刺激側・対側間を比較したところ、対側の筋組織の一部に変化が示唆される興味深い結果を得た。今後の検討が期待される。(中村、楠、大学院学生) 3.ウエスタンブロット法による筋組織内糖輸送タンパク発現の測定法を確立し、データの蓄積を開始した。同遺伝子発現量の検討では、測定法の大幅な改良に成功し、データを蓄積しつつある。残難ながら今回用いた刺激モードではどちらも神経刺激の影響が明確ではない。(中村、野村、大学院学生) 4.本研究の次の段階として、特に刺激による神経活動賦活量の定量化、広範囲の刺激モードの影響の検討がされに必要なことを確認した。(中村、野村、楠) 5.脂質代謝系に対する刺激効果が示唆されたことから、各種脂肪組織への効果を新たに検討するために、脂肪組織内脂肪酸分布の検討を開始した。その結果、脂肪酸組成に部位依存性があることなど、興味深い結果が得られつつある。(中村、楠、大学院学生)
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