研究概要 |
本研究は、〜10μmの高い空間分解能と生体に対し無侵襲性という特徴を持つ光コヒーレンス断層画像化法(Optical Coherence Tomography, OCT)を二次元に拡張したフルフィールドOCTに光学的ヒルベルト変換機能を付加した直交位相干渉フルフィールドOCTを波長1.3μmの光源で試作し,生体試料の断層画像測定を試みたものである。 直交位相干渉フルフィールドOCTでは、光学的ヒルベルト変換により一度に90°位相の異なる2つの干渉画像を得ることができる。1回目で0°、90°、二回目は、参照ミラーによるπ位相シフトで、180°、270°の干渉画像を測定できる。よって2回の露光で4枚の位相シフトを実現することができる。これにより、ビデオレート(30画面/秒、fps)のカメラの場合、30fpsで画像測定を行うことができる。 基礎特性では、ラット脳などの測定を目的としているため測定視野を広くとり,測定視野は4mm×4mmである。光軸方向分解能は29.5μm、横方向分解能は62.5μmである。空間分解能を向上させるため対物レンズ(×5)を入れたリニック型OCTにした場合では、測定視野は0.3mm×0.3mm、横方向分解能は11.0μmである。干渉画像の表示レートは30fps、OCT画像の表示レートは30fpsである。サンプルとして玉葱、心肺停止後30分以内のin situラット脳、in vivoラット脳の測定を行った。in situラット脳は深さ2.9mmまで信号を確認でき、脳内の構造を確認することができた。
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