研究概要 |
本研究は,〜10μmの高い空間分解能と生体に対し無侵襲性という特徴を持つ光コヒーレンス断層画像化法(Optical Coherence Tomography, OCT)を二次元に拡張したフルフィールドOCTに光学的ヒルベルト変換機能を付加した直交位相干渉フルフィールドOCTを波長1.3μmの光源で試作し,生体試料の断層画像測定を試みたものである。 直交位相干渉フルフィールドOCTにおける基礎特性では,ラット脳などの測定を目的としているため測定視野を広くとり,測定視野は4mm×4mmである。光軸方向分解能は29.5μm,横方向分解能は62.5μmである。空間分解能を向上させるため対物レンズ(×5)を入れたリニック型OCTにした場合では,測定視野は0.3mm×0.3mm,横方向分解能は11.0μmである。干渉画像の表示レートは30fps, OCT画像の表示レートは30fpsである。サンプルとして玉葱,心肺停止後30分以内のin situラット脳,in vivoラット脳の測定を行った。in situラット脳は深さ2.9mmまで信号を確認でき,脳内の構造を確認することができた。 本年は,深さ方向での空間分解能の劣化に着目して,実験的な検討を行い,さらに上記内容を総合的に検討し,論文にまとめた.また,ラットの内因性信号測定のためにラットの頭蓋骨を研磨するプロセスを確立すると共に,測定システムを立ち上げて基礎特性を測定した.
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