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2006 年度 実績報告書

生体線維組織のリモデリング機構の解明と靭帯再生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17300145
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高久田 和夫  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)

研究分担者 小山 富久  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (70361714)
永井 正洋  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (10013971)
キーワードバイオメカニックス / 人工臓器工学 / 生体物性 / 生体制御
研究概要

1.荷重負荷による線維組織の変性
ラット尾椎の椎間板を用いて,生体組織に荷重負荷し生じる組織の変性について検討した.椎体にピンを刺入し荷重する2種の実験系を開発した.1つは超弾性ばねで静的負荷する実験系,2つは電磁アクチュエーターにより繰返し動的荷重負荷する実験系である.静的負荷では髄核が変性し細胞死が観察されたが,線維輪には大きな変化はなかった.動的負荷では髄核変性は軽微であったが,線維輪線維層間に剥離が生じ軟骨様細胞が増殖していた.生体内でコラーゲン線維は引張応力を負担しているが,応力状態変化にともない組織構築が変化し,細胞も構築と応力状態変化に追随し応答することが示された.
2.線維組織のリモデリングによる線維配向制御
線維組織では引張応力に従って線維がリモデリングするが,このことを利用すれば人工物と生体組織間で線維配向を制御できる.そこでコラーゲン線維のアンカリングが自己組織化的に生じることが可能な構造の試験片を作製した.ラット皮膚貫通の埋植実験を行ったところ,アンカリングのための構造がない試験片で全数が脱落したが,アンカリング可能な場合には脱落が少なかった.コラーゲン線維のアンカリングも組織学的に証明できた.
3.人工靭帯の骨への固定と靭帯再建
人工靭帯を骨に対して生物学的に固定する方法について検討した.疎なポリエステル不織布を用いて,繊維間に骨再生を促進し骨組織へ固定することを目指した.ラット大腿骨へ試験片を埋め込み,接合強度の測定と組織観察を行ったところ,繊維間における顕著な骨組織形成の促進と接合強度の倍増を確認することができた.
さらに臨床的な靭帯再建について検討するために,ウサギ膝関節の前十字靭帯の再建実験を開始した.ポリエステル不織布の靭帯再建グラフトを作製して再建実験を行ったところ,膝関節の不安定性は見られず靭帯の破断もない良好な靭帯再建が観察できた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Bone-Demineralized bone-Bone Grafts for Ligament Reconstruction2007

    • 著者名/発表者名
      Takeki Yamada, Kazuo Takakuda
    • 雑誌名

      Journal of Biomechanical Science and Engineering 2(印刷中)

  • [産業財産権] 軟組織再生のための吸収性多孔質材料2006

    • 発明者名
      高久田 和夫
    • 権利者名
      東京医科歯科大学
    • 産業財産権番号
      特願2006-276391号
    • 出願年月日
      2006-10-10

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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