研究課題/領域番号 |
17300146
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 真人 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90301803)
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研究分担者 |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
吉岡 浩 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (40288006)
西山 勇一 神奈川科学技術アカデミー, 研究員 (80415976)
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キーワード | 再生医工学 / 組織工学 / インクジェット / オンデマンド / ゲル / 三次元造形 / ラピッドプロトタイピング / Direct fabrication |
研究概要 |
○研究の主旨と目的: 組織工学や再生医療でこれから対象とする組織は、細胞や細胞外マトリクスがμmのオーダーで適材適所配列構成されている複雑組織である。このような生体組織や臓器を細胞や生体材料から人工的に構築するために、本研究では、「生きた細胞や生体材料をオンデマンドで適材適所配置して、直接組織や臓器構造を再構築する」、という新しい組織工学アプローチ「オンデマンド・ダイレクトTissue Engineering法」を提唱し、その基礎検討をおこなった。 ○取り組みと成果: 設計図として組織標本から三次元データを作成し(バイオCAD)、その造形を可能にする工学技術とマシン技術(バイオCAM)の研究、さらに、この技術での細胞入り造形体から細胞組織へと発展させる育成技術研究に取り組んだ。 1)バイオCAD:幼若マウスの心臓組織の連続組織切片から、三次元CADデータの作製をおこなった。 2)バイオCAM:インクジェット技術を応用し、個々の細胞をゲルで積層造形して三次元構築する技術に取り組んだ。インクジェット過程が生存率、増殖能で生きた細胞への影響がないことを確認し、次にインクジェット液滴のゲル化手法を考案し、ゲルによるファイバー、シートの作製、さらにシートの積層や三次元チューブの作製に成功した。また、直接細胞を吐出して、生きた細胞をゲルに包埋しての細胞パターニング、同様な三次元構造の作製にも成功した。加えて、多色化機能を追加し、2つのインクジェットヘッドを利用して、2つの異なる材料での三次元構築に挑戦し、2色ゲルでの立体構造を作製できた。 3)育成研究:三次元造形したゲル内での細胞の生存の確認とその効果的な評価法の検討を行った。 ○まとめ: 「オンデマンド・ダイレクトTissue Engineering法」の実現可能性が示された。Tissue engineeringの新たな展開が期待される。(792文字)
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