研究分担者 |
星宮 務 東北学院大学, 工学部, 教授 (40118336)
加納 慎一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00282103)
比嘉 広樹 琉球大学, 工学部, 助手 (60295300)
半田 康延 東北大学, 大学院・医学研究系, 教授 (00111790)
木戸 眞美 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30195317)
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研究概要 |
(1)脳波,眼球運動の多元計測によるBCI(brain-computer interface)の開発とFESへの応用 残存機能を制限しがちな従来のFESシステムのインターフェース部を改善するために,脳波や眼球運動からFES患者の随意的信号を抽出し,それによりFES機器制御を行うためのシステムに関する研究を行った.眼部の上下,左右に設置した電極から双極誘導されたEOGの交流成分から,視線移動の方向と距離を識別することでメニュー選択を行うシステムの検討を行った.その結果,本システムにより方向8通り,距離2通りの視線移動を90%以上の正答率で識別できることが示された.また,眼球運動検出システムを試作し,健常者1名の右眼の画像を取得後,YIQ表色系変換,2値化処理して得られた画像データより眼球運動と瞬目を判別する検討を行った.画像の取得にはCMOSカメラを使用し,画像サイズを横352×縦288ピクセルとした.実験結果より眼球運動と瞬目を90%以上の割合でリアルタイムで判別できる事が分かった.さらに,脳波を用いたBCIに関する基礎研究を行った.足の動作イメージを行う被験者から計測された脳波のβ帯域成分の強度によって,スイッチ操作が可能であることが実験的に示された. (2)末梢循環系の代謝情報の多元計測によるFES再建動作の定量評価法の提案 筋運動にかかわる末梢循環系の動態を無侵襲で計測する新しい手法としての光音響法に関しては「準開放型光音響セル」の開発による映像化の実験を成功させている.光熱放射法の適用を試みるためサーモトレーサを導入し、センシング部位の温度分布を0.06℃の精度で分析する手法や最大30フレーム/秒での熱画像の時系列解析などの計測手法を確立した.生体の生理的活動を単一矩形パルス法や光トポグラフィにより評価する実験の準備、並びに遠隔地間でのデータ共有による研究推進に役立つ汎用コンピュータによるクラスタシステムの構築の準備も順調に進んでいる。
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