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2005 年度 実績報告書

分子選択的認識機能を有するテーラメード・マイクロキャリア蛋白質の設計

研究課題

研究課題/領域番号 17300165
研究機関大阪府立大学

研究代表者

乾 隆  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (80352912)

研究分担者 飯田 津喜美  三重短期大学, 生活科学科, 助手 (30222813)
八木 直人  (財)高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 主任研究員 (80133940)
井上 勝晶  (財)高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 研究員 (00312273)
キーワード輸送蛋白質 / ドラッグデリバリーシステム / リポカリン蛋白質 / 分子認識機能 / 疎水性薬剤
研究概要

本年度は,(財)高輝度光科学研究センターの共同研究員として,播磨SPring-8放射光施設を使用し,各種疎水性リガンド(ビリベルジン,ビリルビンおよびレチノイン酸等)とL-PGDS複合体について,X線溶液散乱法を用いた構造解析を行ってきた.その結果,実験に用いたリガンドの種類(大きさ)によるL-PGDSの慣性半径の変化が認められ,L-PGDSは結合するリガンドの大きさによってその構造を変化させる珍しい蛋白質であることが判明した.一方,L-PGDSと疎水性リガンドとの結合親和性を調べるために,L-PGDS内因性トリプトファン蛍光消光作用の測定を行った。計算により求められた解離定数(K_d)は,70〜150nMを示し,各リガンドともL-PGDSに対して,ほぼ同程度の結合親和性を示すことが判明した.以上の結果から,L-PGDSは驚くべき構造的柔軟性を有しており,他の同属分子にはない疎水性リガンドに対する「broad selectivity(非選択性)」を持っているということが判明した.そしてこの非選択性こそが「テーラメード・マイクロキャリア蛋白質」の設計・作製,および臨床応用化のための必須事項であることを報告した(2005年6月,The 30th FEBS Congress-9th IUBMB Conference, Budapest, Hungary).以上の結果は,L-PGDSが非選択的に疎水性リガンドをトラップし,輸送する能力を持ち合わせ,かつ非常に安定な蛋白質であることの証明である.さらに,現在,実際に臨床で用いられている疎水性薬剤(抗不安剤:ジアゼパム)と:L-PGDSの複合体を作製し,マウス脳室内投与による行動パターンの変化の測定により,薬剤効果を調べ,L-PGDSを用いたドラッグデリバリーシステムの有効性を評価するための実験をセットアップしている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の熱変性機構における疎水性低分子結合の効果2006

    • 著者名/発表者名
      飯田津喜美
    • 雑誌名

      三重短期大学生活科学研究会(紀要) 第54号(in press)

  • [雑誌論文] Zebrafish and chicken lipocalin-type prostaglandin D synthase homologues : Conservation of mammalian gene structure and binding ability for lipophilic molecules, and difference in expression profile and enzyme activity.2006

    • 著者名/発表者名
      Ko Fujimori
    • 雑誌名

      Gene 第(in press)

  • [雑誌論文] 疎水性低分子結合によるリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の熱安定性についての研究2005

    • 著者名/発表者名
      西口茉実
    • 雑誌名

      三重短期大学生活科学研究会(紀要) 第53号

      ページ: 1-4

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Further application of a two-step heparin affinity chromatography method using divalent cations as eluents : Purification and identification of membrane-bound heparin binding proteins from the mitochondrial fraction of HL-60 cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Tsukimi lida
    • 雑誌名

      J.Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci. 第823号

      ページ: 209-212

  • [雑誌論文] Structural and mutational analysis of Trypanosoma brucei prostaglandin H_2 reductase provides insight into the catalytic mechanism of aldo-ketoreductases.2005

    • 著者名/発表者名
      Bruno Kilunga Kubata
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 第280

      ページ: 26371-26382

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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