研究課題
今年度は、測定にもちいる細胞外マトリックス(ECM)系の構築と装置の改良、および蛍光プローブの探索を主として行なった。ECM系は、ヒト軟骨細胞を培養し、いくつかの形態で蛍光相関分光(FCS)の測定にもちいるのに適当な状態の試料を開発することにした。すなわち、軟骨細胞をECMとともにシート上にしたサンプル、それらをゲル状にしたサンプル、またこれらから軟骨細胞だけを除去したサンプルの3通りを用いながら測定した。どの試料においてもコンタミネーションなどの影響を除くのに苦慮し、透明度が十分高く良好なFCS測定を行うことが今のところ出来ていない。細胞試料の取り扱い方法や輸送方法を検討中である。また、装置については、クライオスタットを導入し、温度制御の精度を上げることを主として行った。一方、最終的な実験に用いるための蛍光プローブの検討も行った。GFPと一般的な色素を連結したFRAPタイプの色素系をもらいうけ、本研究の目的に適合するかを検討した。このタイプの色素は、ブリーチングしにくくFCS測定向けであることがわかった。また、FCCSによりより精度を上げることも出来ることがわかった。また、TAMRAを蛍光色素に用いた糖鎖化合物のプローブを合成したもの11種類をもらいうけ、その拡散係数の分子量依存性を測定した。球形近似を仮定した曲線から大きくはずれたが、様々な拡散時間を持つ糖鎖蛍光プローブのラインナップを作ることが出来た。またこのうち4糖糖鎖を用いたプローブではレクチン(WGA)との相互作用解析をおこない解離定数を求めることが出来た。
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すべて 雑誌論文 (5件)
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